兵役を逃れていた政府高官<ソ連、イラン、イラク、ニカラグア、パナマにたいする強硬路線を主張した政府高官のほとんどは、ヴェトナム戦 争中には兵役を免れていた> 一方、白人エリートの軍隊への態度について、パウエルは 次のように非難します。 「私がとくに非難したいのは、わが国の政治指導者たちが 、あの(ヴェトナム)戦争に人力を注ぎこんだ方法である 。政府の方針が、誰を徴集して誰の徴集を猶予するかを決 め、誰が兵役について、誰が逃れるのか、すなわち誰が死 んで誰が生きられるかを決めたのであり、これは非民主的 な恥辱だった。どうしても許せないのは、こんなことを言 う指導者がいたことだ。これらの若者は――より貧しく、 教育程度も低く、とりたてた特権もないので――消耗でき るが(「経済的な大砲の餌」だなどと言った人間がいた) 、残りの者に危険をおかさせるのはもったいない、と。 権力者や地位が高い者の子弟、あるいはプロの運動選手 (おそらくは誰よりも健康であるはずだ)の多くがうまく たちまわって、予備役や州兵に配属先を見つけたのには腹 がたつ。ヴェトナムの多くの悲劇のなかで、こうした見え すいた階級差別は、アメリカのすべての国民が平等に生ま れ、祖国に平等の誓いをするという理想を何よりも汚すも のだと、私はつくづく悟った。」 「私はレーガン-ブッシュ時代に多くの鼻っ柱の強い人び と――ソ連、イラン、イラク、ニカラグア、パナマにたい する強硬路線を辞さない人びと――と仕事をしてきた。彼 らは全員、徴兵義務をはたす年齢にあたっていたはずだが 、ほとんどの人はヴェトナム戦争中にはなんとか兵役を免 れていたのである。私の思うに、ビル・クリントンのとっ た行動も、これらの人びととさほどちがわない。徴兵猶予 の制度そのものも、兵役逃れの策略も、厳密に言えば合法 的だったのかもしれない。しかし、それは階級意識と結び ついており、非民主的で公正を欠くものである。」 ジャンル別一覧
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